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小文間小学校跡地の利活用に関する市民説明会前日前日に=旧校舎耐震診断IS値0.22の信頼性についてなど==

  • 執筆者の写真: wakuran
    wakuran
  • 10月24日
  • 読了時間: 4分

更新日:10月29日

私が愛してやまない旧校舎は解体でしょう。
少しだけ、気持ちを説明会で話そうと原稿書いてみました。

 今日は、鈴木厚と申す小文間在住の美術家です。小文間小学校旧校舎についてのHPを運営致しております。

発端は長女が2005年に小文間小に入学して父兄として足を運ぶうちに小文間小旧校舎が一般の校舎とは全く違うだけで無く美術品として面白いなと思ったのがきっかけです。

私は流山育ちで25歳の時にこちらに実家が移った新住民ですが、偶々小文間育ちの美大の同窓生がいたもので「小文間小学校の旧校舎って面白いけど誰が作ったの?」と聞いてみたところ「霞が関ビルを設計した人だってよ」そこから旧井野村桑原出身の武藤清と言う東大の構造計算の先生、その弟子スジの長倉康彦設計という事実にたどり着いたのでした。そこでHPを立ち上げると、近代日本の学校建築校史研究の第一人者川島智生先生と繋がり、雑誌や本に論文を書いてくれ、日本建築学会主催の見学会なども開かれるようになったわけです。つまり、戦後学校建築の中で著名な作品だからと言うわけでなくて、ただの美術家1人としての思いから広がったというわけです。

さて、用途変更して保存するには耐震工事をしなければなりません。莫大な費用がかかるでしょう。ですから、その是非はここでは申し上げません。

 ただ、一つ、二つこの取り壊しについての議論で思った疑問だけを述べておこうと思います。


 まず、一つ目、

IS値0.22という耐震審査ですが、公的機関がおこなったものではなく、平成17年度(2005年度)に水戸の羽石英夫建築設計事務所という会社が行っています。

羽石英夫建築設計事務所というのは調べてみるとHPもなくグーグルアースでみても事務所が確認出来ません。学校関係の仕事が多いようで、耐震診断をしながら耐震工事も請け負うという事務所です。

市内では戸頭中学の耐震審査をして大規模耐震補強工事も請け負っています。そういうところは、一般市民が知らないところですが、良いのかなあとは思います。診断して施工もうするんですから美味しいですよね。まあ、役所のご都合には合わせるだろうなあとは思っちゃいますよね。

多分、良心的な会社で市役所の馴染みの大工さんという感じなのでしょうけど、多少とも文化財的価値の可能性のあるものに関してはもうちょっと透明感のある耐震審査がいいだろうなと思います。

因みに件の事務所の受注額は平成20年(2008年)頃以降の取手市全体では48,897,600円、戸頭中の耐震工事では13020000円です。平成18年の戸頭中の耐震審査の受注額は不明。(10/24に管財課に問い合わせた回答のメールによる)


二つ目

耐震診断IS値0.22ということですが、いろいろ調べた結果文科省の基準では「0.3未満危険 大地震時に倒壊・崩壊の危険性が高い」というのが大体の目安のようです。法的な罰則は無くあくまで努力目標ではあります。その診断は平成17年(2005年)におこなわれましたが、平成27年(2015年)の閉校まで、音楽室、図書室、多目的室、図工室、保健室、会議室は使われ続け、児童は自由に出入りしていました。

私の長女が入学したのが、平成15年(2005年)、次女が卒業したのが平成27年(2015年)で閉校の年、うちの子ども2人の小学生時代10年間に丸々重なります。でもその耐震診断の事実は知りませんでした。

2011年の東日本大震災後も4年間普通に使われていたことになります。

耐震工事の莫大な予算を主な理由に取り壊しを言われたのが2018年頃と記憶していますが、そんな危険な校舎に子どもを通わせておいてなんだよ!とは思いました。たしかに、ギャラリーやミュージアムするなど大きな用途変更には法的に耐震の義務は生じることは承知致しております。

まあ、長年の経験で羽石さんは「しばらくは大丈夫だべ」と言ったし役所もまあだいじょぶだなって経験的に判断したのでしょう。私もしょっちゅうPTAの役員として旧校舎の会議室に行っていましたが危険は感じませんでした。

そりゃ、廃校の方針が決まっている学校の耐震工事はしないとは思いますよ。前述のように用途変更しない分には法的な耐震工事の義務はありません。

最近になって初めて羽石先生が小文間小学校旧校舎ソロソロヤバいんじゃないですかって言い出している気がしているんですがゲスの勘ぐりですかね。

個人的には「総合的に考えると2005年(平成17年の)IS値0.22はやっぱり素直に信頼は出来ない」というのが正直なところです。


で、取り壊しが決定したとして二つだけ提案しておきます。


一つ目

まず、専門家による詳細な採寸等の調査と写真撮影。



二つ目

資料室の資料を整理して、アーカイブすること。旧校舎の貴重な写真が多数収録されているアルバムを、去年の建築学会主催の見学会の際にみつけました。


以上です。


小文間小学校旧校舎のIS値を診断した会社についての質問への取手市役所からの返答メール。残念ながら原本は無くなってしまいました。私の返信の引用は残っていました。
小文間小学校旧校舎のIS値を診断した会社についての質問への取手市役所からの返答メール。残念ながら原本は無くなってしまいました。私の返信の引用は残っていました。
取手市内の羽石英夫建築設計事務所の受注案件
取手市内の羽石英夫建築設計事務所の受注案件

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